教育活動

医学教育学部門が行なっている教育活動には、4年(M2)対象の「臨床導入実習」(医療面接実習、身体診察実習、臨床推論演習など)、2年(M0)対象の「チュートリアル」、2年(M0)および4年(M2)を対象とした「多職種連携教育(IPE)」などがあります。対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の授業形態を導入しています。
また、当部門は臨床実習・教育支援室と協働でクリニカルクラークシップの企画・マネジメントを行うとともに、4年(M2)の共用試験である臨床実習前OSCE、6年(M4)の卒業時の能力評価の位置付けである臨床実習後試験の運営にも従事しています。

臨床導入実習

医療コミュニケーションを実践的に学ぶ「医療面接実習」、バイタルサインなど身体所見のとり方を学ぶ「身体診察実習」、「基本的臨床手技実習」、「救急実習」およびクリニカルクラークシップの導入となる「臨床推論演習」などの授業シリーズから構成されています。
医療面接実習では、「模擬患者つつじの会」の模擬患者が協力しています。

チュートリアル

学生が自ら課題を探求し、自ら問題を解決する能力を育成するための授業としてチュートリアルを行なっています。臨床的なケースについて多角的な視点から問題解決に取り組む内容となっています。学生は少人数のグループに分かれ、主体的かつ積極的にディスカッションやプレゼンテーションを行なっています。

多職種連携授業(IPE)

多職種連携教育(IPE: Interprofessional Education)は、将来、多職種連携チーム医療の実践につながるような専門職間コミュミケーション、協働のためのスキルを培うための授業です。医学、薬学、看護学の学生による合同授業を実施しています。実際には、少人数のグループに分かれ、臨床的なケースについてディスカッションや模擬カンファレンスを行う内容となっています。

医学教育分野別評価推進委員会

本学は、世界標準の医学教育の認証制度である「医学教育分野別評価」(日本医学教育評価機構 (JACME) が実施)を受審し、2014年以後継続的に認証を受けております。本学における医学教育の更なる質の向上を図るため、医学教育分野別評価推進委員会を学内に設置し、医学教育の質の評価や改善を継続的・組織的に行なっております。

医学教育IR担当

医学教育学部門に設置されている医学教育IR担当は、各科目の成績、共用試験の成績、医師国家試験の成績、および各部署が担当している学生の学修成果(学会発表、論文発表、留学)、卒業生の進路、各科目や教育プログラムに対する学生からの評価 などのデータを収集することにより、教育プログラムおよび学修成果の系統的なモニタを行っています。これらのデータは、教育プログラム評価委員会への報告に活用され、教育プログラム評価委員会からの答申をもとに教育プログラムの改善につなげる仕組みとなっています。

授業モニター

本学の医学科においては、診療・研究を問わず各分野のエキスパートによるきわめて質の高い授業が日々行われていますが、このような環境を維持・発展させるために、教員が相互に授業を評価し合う「授業モニター」制度が導入され、当教室が中心となって運営しております。この制度を通じて,評価される教員と評価する教員の双方の授業スキルを高め、さらに faculty development や教育プログラム改善のための基礎的資料とすることも目的としております。

模擬患者つつじの会

 近年、医師をはじめとする医療者のコミュニケーション能力等、技能・態度面の能力の涵養について、社会からのニーズが高まっています。この背景には、医療安全に対する意識の高まりがあります。質の高い医療者の養成方法の一つとして、模擬患者が参加しシミュレーション基盤型の学習方法があります。現在、国内外において、医療面接、コミュニケーション能力の教育、OSCE等、その活躍の場は非常に広範です。  
 本学では、地理的に近くかつ国立大学法人であるという共通項を持った東京大学と東京医科歯科大学が、2008年度から共同して模擬患者養成を行うことになりました。当初は、東京大学および東京医科歯科大学の医学部の実習やOSCEに参加してきましたが、2014年度から、新たに東京医科歯科大学の歯学部OSCE(6年生対象)での活動も始まりました。なお模擬患者の組織の名称は「つつじの会」としていますが、「つつじの会」の名称は、両大学の所在地である文京区の花「つつじ」に由来しています。「つつじの会」は、東京大学および東京医科歯科大学の両大学に所属する組織です。会員は、両大学の組織(東京大学:医学部教務委員会、東京医科歯科大学:教育委員会)に所属する形となっています。